Guide 02

「給付の内容」に何を書くか

フリーランス法では、業務委託をした時点で取引条件を明示する義務があります。 その一番大きな項目が「給付の内容」、つまり何を作って納めてもらうかです。 揉める案件は、法律の話を知らなかったからではなく、ここが粗いまま始まっただけ、ということがほとんどです。

粗い書き方と、通る書き方

同じ案件を、2通りで書いてみます。

粗い例

美容サロンのLPを1本お願いします。イメージはおしゃれな感じで。

通る例

サロン紹介LPのファーストビュー1画面のデザイン。 ・サイズ:PC(1440px)とSP(375px)の2サイズ ・案数:初稿1案、修正2回まで。3回目以降は1回あたり5,000円 ・素材:写真とロゴ、掲載する文章はこちらから支給します ・納品形式:Figmaの共有リンクと、書き出し済みPNG ・コーディングは含みません

書き落としやすい項目

  1. サイズと点数。「1本」が何画面・何サイズなのか。バナーなら「10種類」なのか「1案+サイズ違い9点」なのか。
  2. 修正回数と、超えたときの扱い。回数を書かない発注書がいちばん多く、いちばん揉めます。
  3. 誰が素材を用意するか。とくに文章です。原稿が未確定なら、誰が書くのかを先に決めます。
  4. 納品形式。画像の書き出しだけか、編集できる元データまでか。
  5. 含まないもの。コーディング、実装、公開作業、写真撮影。含まないことを書くほうが早いこともあります。
  6. 権利の扱い。著作権を譲ってもらうのか、使う範囲を決めて許諾してもらうのか。

「イメージはおしゃれな感じで」が危ない理由

方向性を言葉で伝えるのは大事ですが、抽象的な形容詞は条件になりません。 「おしゃれ」の中身が発注側と受注側でずれていた場合、初稿を見るまで誰も気づけないからです。 言葉で足りないところは、参考にしたいサイトを2〜3つ挙げて、 そのどこが良いと思ったのか(余白の取り方なのか、写真の明るさなのか、書体なのか)を一行添えると、 初稿の精度がまるで変わります。これは条件書に書かなくても、依頼文に入れておく価値があります。

決まらない項目があるとき

報酬額を委託の時点で決められない正当な理由がある場合は、その時点での明示は求められません。 ただしその事情がなくなったら、すみやかに協議して決め、明示する必要があります。 「あとで決める」まま進めていい、という意味ではないので、いつ決めるかだけは先に握っておきます。

※ ここに書いたのは一般的な整理です。個別の取引がどう扱われるかは事情によって変わります。 判断に迷う場合は専門家にご確認ください。

書いた内容を、そのまま明示書にできます

発注条件書メーカーに入れると、フリーランス法で明示が必要な項目がそろった書面の形になります。 無料・登録不要。そのまま印刷して渡せますし、掲載フォームにも引き継げます。